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【02】度肝を抜く威容、ジョイフルトレイン・フェスタ。

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写真: 【02】度肝を抜く威容、ジョイフルトレイン・フェスタ。

写真: 【01】トワイライトエクスプレス! 写真: 【03】関西にもあった、黄色い「国電」。

1999年夏の撮影。
度肝を抜く奇抜な外観のこの列車。
ブサイク、どう見てもブサイク。
タラコクチビルが走ってくるようなこの変顔の車両はJR西日本・広島支社にかつて在籍したジョイフルトレイン「フェスタ」。

驚くなかれ、このタラコクチビルは上下に開いて、しかもそこに仕込まれたスピーカーから喋ってくれるのです!
一度しか聞いた事がないのですが、確か「ボク、フェスタ…」とか言っていたような。
元は全国のローカル線で広く活躍した急行ディーゼルカー、キハ58系。
ですが、全くその面影はありません。
それよりもどうやったらこんな奇抜なスタイルを思いつけるのか…そして喋る必要あったのだろうか…現在からしたら無意味すぎる「フェスタ」の出で立ちは、バブルという時代の落とし子なのかもしれません。
大阪をはじめ各地へ団体臨時列車として走り回ったこの「フェスタ」も、老朽化に伴い2001年ごろ引退。
最後にはタラコクチビルは壊れてしまい、動かすことも喋ることもできなくなっていたとのこと。
噂では引退後にタイかマレーシアか、東南アジアのどこかに譲渡する話もあったようですが実際はあえなく解体されてしまい、もうお目にかかることはできません。
もし今大阪駅に平然とこんな「物体」が現れたら、きっと大パニック。
それどころか鉄道好きな子どもでも泣いて逃げるかも知れません…。

撮り鉄を始めて一年、この頃から生意気にもポジ(リバーサル)フィルムを使う機会があったようです。ヘタクソのくせにやることだけは一丁前だったようです(苦笑)。
この時に使用していたのはコダックのポジフィルム、「エクタクローム」。
愛機のミノルタα303siはフィルムの感度を手動で設定出来なかったのでいわゆる「増/減感」が出来ず、ASA100のフィルムだと手持ちのレンズでは満足に走り撮影が出来なかったこともあり、もともと感度の高い200や400がありしかも比較的安価に入手(それでも高校生に1本1000円ほどするポジフィルムは痛い出費でした)できる「エクタクローム」は有り難い存在でした。
当時鉄道写真でのポジフィルムの主流だった「フジクローム」に比べれば画質・発色は今一歩譲るものの、今思えばちょっとクールな描写は都会的で良かったように思います。
今やコダックは経営再建、ポジフィルムは残念ながら全て撤退しているようです。

さて話を本筋に戻しましょう。
高価なフィルムを用いるようになったとはいえ狙う被写体は珍しいジョイフルトレイン。ただですら撮影慣れしていないのにチャンスの少ない珍車両ばかり追いかけ回し、毎度毎度緊張する撮影に相変わらずヘタクソで現像すると凡打の山。

それでも出来はともかく、今では考えられないような貴重なシーンを目撃し、友人に自慢出来たいい時代でした。
蛇足ながらタラコクチビルをモノマネし「ボク、フェスタ」と人面電車ゴッコしたのをフィルムを見て思い出しました。懐かしい。

DATA:ASA200(+1),70-210mm,1/500,F=AUTO

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