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2018_0813_124927 村井吉兵衛

写真: 2018_0813_124927 村井吉兵衛

写真: 2018_0813_125157 バルコニー 写真: 2018_0813_124915

村井吉兵衛という人ですが、
貧しいたばこ商の次男坊だそうで、明治時代にたばこの行商から身を起こし、紙巻たばこの国産化で成功して財をなした人らしいです。当然たばこ産業界では超有名人。
それまでは煙草というものはキセルで飲むのが一般的で紙巻や葉巻は輸入高級品で一般的なものではありませんでした。
村井氏は商才のある人物だったようで、家督を継いだたばこの行商でもすこしずつ利益を出すようになり、やがてたばこの製造にもチャレンジします。彼は紙巻たばこの手軽さに着目し、安く国産で製造することに取り組みこれがヒット商品となって大きな収益を得ます。
当時はたばこは民営でたくさんの業者がありましたので類似のものが次々と出てきましたが、渡米してアメリカのたばこを研究し、パッケージに今も使われている「銀紙」を導入したり、おまけとしてトランプや美人の描かれたカードを入れたりと常に競合品をリードしシェアNo1を保ち続けました。
日露戦争後にたばこが政府の専売品となることが決まり、村井氏のたばこ事業は国に買い上げられることとなり、その莫大な売却益を元手に銀行・製糸業などに手を広げ財閥を形成しました。
この頃は、全国の主要な民間鉄道が国に買い上げられて「国鉄」の母体ができた時期と附合し、日露戦争の賠償金でいかに日本政府が潤ったかが良くわかる事例だと思います。
(日露戦争以前は、国営の鉄道は東海道本線や首都圏の路線くらいで、東北本線・常磐線・高崎線は日本鉄道、山陽本線は山陽鉄道、鹿児島本線・日豊本線・長崎本線は九州鉄道、室蘭本線は北海道炭鉱鉄道、関西本線・城東線(環状線)は関西鉄道、といった私鉄でしたが全部国に買い上げられました。)

さて村井財閥の方ですが、昭和に入って経済恐慌に巻き込まれ残念ながら表舞台からは姿を消し、この立派な長楽館も人手に渡ることになります。

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コメント (9)

  • kame

    京都には旧村井銀行の建築が数件残っていますね。タバコ王と銀行がいまいち結びつかなかったのですが そういう経緯なのですね〜

    2018年8月16日 10:25 kame (12)

  • キューチャン

    toraさん
    ☆ありがとうございます。

    2018年8月16日 22:45 キューチャン (36)

  • キューチャン

    kameさん
    ☆とコメントありがとうございます。
    私の方は銀行経営に繋がる以前のたばこでボロ儲け、のところですでに躓いていました。
    私も(は)たばこと言えば専売公社の世代ですので、端からたばこ農家以外の民間人が手出しする余地なし、売り上げても利益の多くを税金に持っていかれるもの、の認識が強くて、煙草王と言われてもどこにそんな儲けられる要素があるのだろう、と考えていました。
    日露戦争以前は専売ではなかったのですね。

    2018年8月16日 23:01 キューチャン (36)

  • キューチャン

    かわしょうさん
    ☆ありがとうございます。

    2018年8月16日 23:21 キューチャン (36)

  • キューチャン

    トキゾウさん
    ☆ありがとうございます。

    2018年8月16日 23:23 キューチャン (36)

  • トクさん

    天井が一風変わっていますね。

    2018年8月17日 17:29 トクさん (10)

  • キューチャン

    みなみたっちさん
    ☆ありがとうございます。

    2018年8月18日 00:24 キューチャン (36)

  • キューチャン

    イモ娘さん
    ☆ありがとうございます。

    2018年8月18日 00:24 キューチャン (36)

  • キューチャン

    トクさん
    ☆とコメントありがとうございます。
    折り上げ格子天井という書院造りの一番格の高い形だそうですが照明は輸入品でフランスのバカラ製だそうです。

    2018年8月18日 00:30 キューチャン (36)

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